歯が数本残っていてもオールオン4の施術はできる?
歯が残っていてもできる
■歯周病でグラグラしている
歯周病の症状は口が臭くなるだけではないです。顎の骨を溶かしてしまい歯をグラグラ揺らしてしまいます。歯が揺れても患者さん希望で歯を残すことは多いですが、実際に大きく揺れてしまうと痛みを伴うことが多く患者さんが咀嚼できなくなるほどです。歯周病で骨が溶けているときは患者さんが希望しても歯を抜かなければいけないときもあります 。
また患者さんが希望していなければほぼ抜くものと思っていただいて結構です。
■虫歯で歯が溶けている
虫歯は歯に細菌が付着しそこへ食べかすや磨き残しのプラークが長期滞在することで栄養を与え細菌が増殖することで発生します。細菌はプラークらを栄養源にして酸を産生します。産生した酸によって歯の石灰化を脱灰していき歯に穴を開けていくのです。
虫歯は自然治癒することはなく歯医者で治療するほかありません。歯が溶けていき大きく欠損してしまうと咀嚼障害がでるだけでなく歯並びにも影響を与えてしまいます。
また歯の根っこだけ残っている状態では清掃性が劣り、細菌感染のリスクが高くなります。特に高齢者の方は顕著で、誤嚥性肺炎リスクにもつながります。
■歯が折れている
歯が折れてしまうと原則として抜歯が選択されます。特に垂直に折れてしまうと根っこまで口腔と貫通し細菌の侵入も見られ根っこに病巣を作ることもあります。歯が折れてしまったら残念ですが抜歯を覚悟しましょう。
ただし今回のようなオールオン4にするために歯を抜くとなったときに垂直に折れている歯が残っていると高確率で細菌感染も見られます。
■根っこに大きな膿の袋がある
虫歯を放置すると神経へ細菌感染が波及します。神経も細菌によって死亡すると神経の先(歯の根っこ)に細菌感染の袋を形成します。細菌感染の袋はただ形成されているわけではなく、顎の骨を溶かして存在しています。軽度の袋であれば歯の違和感程度で済みますが大きな袋を形成すると歯の動揺も引き起こします。
歯を抜くときの注意
■糖尿病
糖尿病の患者さんは傷跡や傷口が治りにくいという特徴があります。抜歯すれば出血もし傷口に近い状態になります。そこで治療遅延が起きるとオールオン4の治療日程まで影響がでてきます。さらに糖尿病患者さんは感染症にもかかりやすいです。抜歯をしたときに細菌感染がおきると重症化することもあるのです。
■腎臓病
腎臓病患者さんで透析をしている人は出血や細菌感染に気をつけなければいけません。透析をした翌日の歯科診療が 望ましく、通院している内科の担当医師との対診が必要になります。
■骨粗鬆症
骨粗鬆症患者さんは顎の骨が一般の方にくらべて弱く折れやすくなっています。抜歯をするきには顎の骨に力をかけることが多く、その際に折れてしまう可能性もあるのです。また、骨粗鬆症の治療法として活用されているビスホスホネート製剤は顎骨壊死を引き起こすことが報告されています。
■高血圧
血圧が常に高く血管に負荷をかけているのが高血圧です。高血圧の患者さんは使用できる歯科麻酔が限られていて事前に血圧測定や患者さんからの申し出を受けて高血圧と判断されると使用する麻酔を変更します。さらに抜歯をした際には血圧の変動も見られるので高血圧患者さんは注意が必要です。
■血液疾患
血液疾患でも血管の病気をしている患者さんは注意が必要です。特に動脈硬化や脳梗塞予防としてワーファリン、アスピリンといった薬を服用していると血液が止まりにくくなります。抜歯の後には止血確認が重要ですが、止血できないことも出てきます。
オールオン4を長持ちさせる
そこまでする治療であれば長期的にもたせたいと思いますよね。長期的にオールオン4を使い続けるためにひつようなことは以下のことです。
■セルフケア
セルフケアで有名なのは患者さんの行う歯磨きです。毎日歯医者へ通うのは大変です。それなので毎日の歯磨きで清潔に保つことが必要です。自分の磨き癖や磨く時間、磨き方などを見直して正しい歯磨きをしましょう。
■歯医者からの定期検診
施術をした歯医者からの定期的な検診は必要不可欠です。インプラントと骨が結合しているか、インプラントが揺らいでいないか、歯磨きができているかをチェックしてもらいましょう。