地震や噴火も?インプラント保証の対象外になるケース
2018年11月23日 (金)
インプラント治療は、歯科治療の中でも高額といわれている治療です。その金額ゆえに二の足を踏む患者さんも少なくありません。インプラント1本あたり数十万円ほどかかりますから、複数本のインプラント治療を受けることで、総額が100万円以上になることもめずらしくありません。そんな高額な治療ではありますが、インプラント保証がついているため、安心といえば安心です。もしもの時には、再治療などにかかる費用がすべて保証されることもあるからです。けれども、すべてのケースが保証の対象となるわけではない点について知っておく必要があります。ここではそんなインプラント保証の対象外となるケースについて、それぞれ詳しく解説します。
定期的なメンテナンスを受けていなかったケース
インプラント保証では、定期的なメンテナンスを受けることを義務付けている場合がほとんどです。インプラントは、埋入してからが本番という考え方もあり、手術後しっかりとケアし続けなければ、脱落してしまうことも多々あります。そのため、1年間に2回以上はメンテナンスを受けなければならない、というルールを設けているインプラント保証が多いです。もしも、定期的なメンテナンスを受けずに、インプラントの不具合が生じた場合は、自己責任とみなされてしまうのです。その結果、再治療などにかかる費用は全額自己負担となります。これは非常にもったいないことですので、インプラント治療を受けたあとは、しっかりと定期メンテナンスを受けるようにしましょう。
故意にインプラントを損傷したケース
偶然、インプラントが損傷したり、上部構造が破折したりした場合は、インプラント保証の対象となることが多いですが、故意によるインプラントの損傷は保証の対象外となります。例えば、上部構造を自らの意思で傷つけたり、インプラント体を引き抜いたりした場合です。インプラントは、そういった事態を想定して作られていませんので、保証の対象外となるのです。また、歯医者に禁じられていたような硬いものを噛むなど、明らかな過失が認められる場合もインプラント保証の対象外となりますので要注意です。いずれにせよ、インプラントは大切に扱っていきましょう。
決められた歯科医院以外でインプラント手術を受けたケース
インプラント保証が適用されるケースというのは、あらかじめ決められた医療機関で処置なり手術なりを受けていることが前提となります。それが全く関係のない歯科医院などで手術を受けたとなると、もはやインプラント保証の対象外となってしまいます。例えば、スマートフォンなども正規のお店以外で修理を受けると、それ以降、保証から外されてしまうことがありますよね。これは保証を提供している側からすると、仕方のないことだといえます。なぜなら、全く関係のない医療機関でインプラントをいじられてしまうと、その時点で正常な状態をコントロールすることは難しくなるからです。インプラント保証を受けている場合は、決められた医療機関でメンテナンスや歯科処置を受けるようにしましょう。
地震や噴火などの自然災害に見舞われたケース
日本は、地震が多い国です。定期的に大きな地震が起こって、甚大な被害が生じます。それは個々人においても同じです。地震や噴火などの自然災害によって外傷などを受け、その結果、インプラントが損傷したとしても、それはインプラント保証の対象外となります。意外に思われるかもしれませんが、やはり、インプラントというのは、地震や噴火といった自然災害まで想定されて作ったものではないのです。普段から、歯科医の指示通りに使うことで、適切な状態が維持される補綴装置であるため、その範疇を越えるような事態が生じた場合は、インプラント保証の対象外とせざるを得ません。ちなみに、洪水や台風なども対象外となります。
インプラントが原因で発症した病気や障害について
インプラントを使っていると、場合によってはお口の中に何らかの病気や障害が現れることがあります。そういったケースに関しても、インプラント保証の対象外となることが多くなっています。インプラント保証の対象は、あくまでインプラントの不具合である点に注意しましょう。費用が保証されるのも、上部構造やインプラント体に関するものに限られます。
まとめ
このように、インプラント保証というのは、いろいろなケースで対象外となることがありますので、事前にきちんと把握しておきましょう。インプラント保証の範囲は、それぞれのインプラントシステムでも異なりますので、あらかじめ歯医者に確認しておくことが大切です。上述したようなケースは、あくまで一般的なものであるため、すべてのインプラントシステムに共通しているわけではありません。これからインプラント治療を受けようか検討中の方も、インプラント保証についても詳しく質問してみてはいかがでしょうか。