オールオン4ができる条件とは?歯が数本残っていても施術は可能?
一般的なインプラント治療ですと、12本の人工歯を入れるには12本のインプラントを埋め込まなければならず、治療の手間も治療費も患者さんの負担も増えてしまいます。
しかしオールオン4の治療を受けるには、いくつかの条件をクリアする必要があります。
それは上の歯、または下の歯に1本でも天然の歯が残っている場合、それを抜かなければならないことです。オールオン4は上の歯、または下の歯がすべてない患者さん向けの治療法なのです。
よって、歯が数本残っている方がオールオン4を入れる場合、残りの歯を抜く必要があります。天然の歯をわざわざ抜いてまでオールオン4を入れるメリットは、どのようなものなのでしょうか。
歯医者に相談しよう
しかし例えば天然の歯が2本残っていて、それを生かして一般的なインプラントを10本入れる場合、顎の骨に10個の穴をあけてインプラントを10本挿入しなければなりません。手術は長時間化し、治療費も400万~500万円ぐらいかかってしまうでしょう。
ところが4本のインプラントで12本の歯(人工歯)を再現できるオールオン4なら、治療費は200万~300万円ほどで済みます。
(上記の価格は目安です。治療費は歯科クリニックによって異なるので、必ず事前にお問い合わせください)
そうなると患者さんは、「残っている数本の歯を抜いてでもオールオン4を入れたほうがいいような気がする」という気持ちと、「健気に生え続けている天然の歯を抜いてしまうのはやはり忍びない」という気持ちの間で揺れ動くことになります。
その決断には、歯医者の助言が役立ちます。オールオン4の治療を積極的に進めている歯科クリニックであれば患者さんの悩みを熟知しているので、的確なアドバイスをもらうことができます。
オールオン4で実現できること
ということは、次のような支障を抱えているはずです。
●口臭がきつくなる
●噛み心地が悪い
●食事が味気ない
●口のなかに違和感がある
●毎晩、清掃のために取り外さないとならない
●入れ歯の手入れが大変
オールオン4にすると、こうした悩みから解放されます。
オールオン4はどうして入れ歯の悩みを解消できるのか
しかしオールオン4は、インプラントというチタン製の柱が顎の骨のなかにしっかり埋め込まれています。そのため、オールオン4の人工歯が受けた感触はインプラントを通じてダイレクトに顎の骨に伝わり、それが神経を経由して脳に到達するので食感を楽しむことができるのです。
またオールオン4は常に装着したままになるので、入れ歯のように毎晩取り外して清掃する必要はありません。オールオン4のケアは、通常の歯磨きとほとんど同じです。
さらに入れ歯の場合、入れ歯自体から悪臭が出てきますが、オールオン4は入れ歯を使わないのでその心配がありません。
ただ、オールオン4でもケアを怠ると口臭の原因となるので、歯科クリニックの指導をよく聞いてケアする必要があります。
オールオン4が入れ歯より劣る点
■治療費が安くない
まず治療費が安くないことです。入れ歯はそもそも治療費が安いうえに、医療保険が適用されるので患者さんの自己負担は3割以下になります。
オールオン4はインプラントを挿入する手術をするのでそもそも治療費がかかり、しかも医療保険を使うことができないので全額患者さん負担になります。
しかしオールオン4は、入れ歯より格段に性能が高いので、「治療費が高い」というより「価値相応の価格」といえるでしょう。
■重度の糖尿病を患っている方は受けられないこともある
重度の糖尿病を患っている方は、オールオン4の治療を受けられないこともあります。その場合、入れ歯しか選択肢はありません。
重度の糖尿病を持っていると傷の治りが悪くなり、オールオン4のインプラントを入れる手術に耐えらないからです。
ただ「血糖値のコントロールがきちんとできていればオールオン4を入れることはできる」と判断する歯医者もいます。
そのため、オールオン4に魅力を感じている方は、糖尿があってもあきらめずに歯科クリニックに相談してみることをおすすめします。
まとめ~究極の選択を決めるのは患者さん自身
残っている歯が自然に抜けるまで入れ歯を使って食べづらさを我慢するか、思い切って残っている歯を抜いてしまってオールオン4で噛み心地を回復するかは、患者さん本人にしか決められません。
かかりつけの歯科クリニックの歯医者と相談しならば、ベストの選択をしてください。