インプラントと天然歯の使い心地にはどれくらいの違いがある?
インプラントと天然歯の違いについて
■周辺組織の違い
天然の歯は、歯茎に歯の根の部分がうまっているような構造をしていますが、健康な歯がぐらつくことはありませんよね。歯は顎の骨に直接くっついているわけでもないのにしっかりと固定されています。これはなぜかというと、根っこの部分が歯根膜という細かい靭帯に支えられているからです。この歯根膜は、歯に加わる衝撃を吸収し和らげるクッションのような役割もあります。
一方インプラントの場合は、顎の骨に人工の歯の根っこをうめ込み歯の土台を作り、その上に人工歯と取り付けているという構造をしています。骨に人工の歯根を埋め込んで固定するため、ぐらつくことはなく食事に影響がないほど固定されています。
しかし、インプラントには天然の歯にある歯根膜がありません。そのため、顎の骨に直接衝撃がつたわってしまいます。「え?大丈夫なの?」と思ってしまうかもしれませんが、インプラントは、歯列全体の噛み合わせを整えることでこの問題を解決することが出来ます。歯にかかる力が一点に集中しないように噛み合わせを調整してバランスを整えます。
■神経があるかどうか
天然の歯にある歯根膜には、知覚神経が通っています。この知覚神経があることで無理な力が加わった時に反射的に力を弱めて歯を守ることができます。では、この歯根膜のないインプラントはどうなっているのかというと、代わりになるような知覚神経はないので、歯列を整えて一点に力がかかることを回避します。
■血液が通っているか
歯根膜には血液も流れています。血液中の白血球は、細菌による炎症が起きた時に防御する役割をもっています。天然の歯には、歯根膜と歯肉、歯槽骨の3つから血液が供給されているため、この防御する能力が高いといえるでしょう。しかし、インプラントの場合は歯根膜がないため、歯肉と歯槽骨の2つからのみの血液供給になるので細菌に対する抵抗力が弱くなります。そのため、インプラントの場合は歯周に細菌が付着すると悪化しやすくなってしまうので注意が必要です。
使い心地に違いはある?
インプラントの仕上がりは天然の歯と見た目がほとんど変わりません。治療後の見た目を気にしていた方にとってはとても嬉しいことでしょう。治療が完了して歯の機能は回復したとしても「あれ、入れ歯かな?」とか「天然の歯じゃないのかな?」と思われてしまうようでは残念ですよね。特に前歯などの目立つ部分は、他人の目を気にして話すことや笑うことが億劫になってしまうこともあるでしょう。インプラントなら、自分の歯の見た目を気にすることなく日常生活を送ることができるようになります。
他にもインプラントは取り外しができる物ではないので、人前で突然外れてしまうこともなく、歯磨きのたびに外してお手入れする必要がないので、その点においても人目を気にすると必要はないでしょう。
歯がないままにしておくと…
歯を補う方法にはインプラント以外にも幾つかありますが、今回お話ししたようにインプラントは、天然の歯に近い使い心地で生活することができます。この機会に歯医者さんに相談してインプラントを検討してみてはいかがでしょうか。