歯ブラシを買い換えようと思って薬局やスーパーへ行ってみると…思いのほか種類が多くて迷ってしまうことはありませんか？ヘッドの大きさや硬さ、毛先の形や角度に至るまで、本当にたくさんの種類がありますよね。自分の好みや口内の状態にあわせて選んでいる方が多いと思いますが、インプラント治療後の場合はどのような歯ブラシが良いと思いますか？何となく、柔らかい歯ブラシで優しく磨いた方がいいのかな？市販のものでいいの？など、正解がよくわからないかもしれません。
そこで今回は、インプラントのお手入れに向いている歯ブラシの選び方についてお話しいたします。

インプラントは人工歯ですが、口内は歯磨きをしなくては細菌が繁殖してしまうので天然の歯と同様にきちんとメンテナンスを行う必要があります。
インプラントを埋めた直後は、インプラントを埋め込んだ部分が血液のかたまりで覆われており、出血しないようにフタをしている状態になっています。ですから、歯ブラシで磨いたり強くうがいをすることは避けなければなりません。それ以外のインプラントと関係のない歯は、歯磨きをしても問題ありません。インプラントの箇所に細菌が繁殖しないようにするためにもいつも以上に口内を綺麗にしておく必要があります。
全て治療が完了したら、インプラントの部分も問題なく歯磨きができるようになります。インプラントは歯周病になる危険性が高いので、注意してケアしましょう。

インプラント手術直後の歯茎がデリケートな状態のときは、歯医者さんにすすめられた専用の歯ブラシを使用する必要がありますが、治療が完了すれば、通常の歯ブラシを使用して歯磨きをすることが出来ます。磨き残しは、インプラント周囲炎を引き起こす原因にもなりますので、歯磨きはいつも以上に丁寧に行いましょう。

■ヘッドの大きさ
歯ブラシのヘッドは、大きすぎると奥歯や細かい隙間などに磨き残しが多くなってしまいます。上の前歯２本分ぐらいのものを目安にしてみてください。鏡で見てみると…自分が思っている大きさよりも意外と小さい！かもしれませんよ。

■毛の硬さ
歯茎の状態に特に問題がなければ「ふつう」もので大丈夫でしょう。歯茎に炎症がある場合や、磨く力が強くなってしまう場合は「やわらかめ」のものが良いです。「かため」の歯ブラシはゴシゴシと刺激が気持ちいいかもしれませんが、磨く力が強い場合は、歯茎がすり減ってしまい埋め込んだインプラント部分が露出してしまうことがあるので、注意が必要です。

歯ブラシで丁寧に磨いても、汚れは6割ほどしか取れていません。残ってしまう４割の汚れは、他の器具や洗口液を利用して取り除きましょう。

■ワンタフトブラシ
一本毛で先端が細くとがっている形状のワンタフトブラシなら、歯茎の境目などを綺麗に磨くことができます。インプラントは歯周病になりやすいので、歯茎の境目の汚れを意識的に除去する必要があります。

■スーパーフロス
デンタルフロスは、糸状のものと柄が付いているのもがあります。どちらも歯と歯の隙間の汚れを取ることができます。また、インプラント専用のスーパーフロスなら、中心部分が柔らかく太くなっているので、歯ブラシやワンタフトブラシの磨き残しを補うことが出来ます。

■電動歯ブラシ
インプラントの歯でも電動歯ブラシを使用することは可能です。電動歯ブラシの進化は目覚ましく、最近の電動歯ブラシの性能は非常に良いです。電動歯ブラシは、自分でゴシゴシ動かす必要はなく歯の表面にあてるだけで汚れを落とすことができるので、磨き癖によって偏った歯磨きをしている場合は磨き残しが軽減されます。

■ウォーターピック
電動歯ブラシのように馴染みはないかもしれませんが、ウォーターピックは水の力で洗浄することが出来ます。インプラントで心配な歯周病菌を、効果的に洗い流すことが可能です。

■洗口剤
仕上げに洗口液を使用することも効果的でしょう。洗口液はいろいろな種類のものがあるので、どれを使えば良いのかわからない場合は歯医者さんに相談してみると良いでしょう。

インプラント治療後に限らず、歯ブラシは鉛筆を持つように握りましょう。グーに握ると力が必要以上に入ってしまい、歯茎が傷ついてしまうことがあります。鉛筆のように握ると、歯ブラシを細かく動かすことができるので磨き残しも少なくなります。
また、今使っている歯ブラシの毛先が外側に開いてはいませんか？歯ブラシの交換は一ヶ月に１回が理想ですが、一ヶ月も経っていないうちに歯ブラシがボソボソになってしまっている場合はブラッシングの力が強すぎるので見直してみましょう。インプラント治療後は定期的に歯医者さんのメンテナンスを受けることになりますが、その際、歯ブラシの選び方や磨き方についても相談してみると良いですね。