インプラント治療は、使用する材料や治療プロセスが特殊であるため、ベースとしての医療費も高額となっています。それだけに、驚くほど高額な治療費を設定している歯科医院もありますが、逆に極端に安い治療費を設定している歯科医院もあります。前者は経済的な理由から治療をお願いできないこともあるかと思いますが、後者は誰もが喜んでお願いしたくなりますよね。けれども、単に治療費が安いという理由だけで、インプラント治療を受ける歯科医院を選ぶのは危険といえます。とくに、オールオン4のような大掛かりなインプラント治療では、慎重な歯科医院選びが重要となってきます。

オールオン4の治療にかかる費用が極端に安い場合は、本当に適切なインプラント治療を実施してくれる歯医者なのかを見極める必要があります。なぜなら、オールオン4というインプラント治療は、どんなに費用を抑えても、必ず必要となる金額があるからです。そのため、極端に安いオールオン4の料金プランを提示している場合は、そこに何らかの問題があるかもしれません。ここではそうした問題の見分け方を解説します。

オールオン4にも使用されるインプラントには、いろいろな種類があるのをご存知でしょうか。国内で使われているインプラントシステムで、世界的にも信頼性が高いのは数種類のみで、その他にも数十種類以上のインプラントシステムが存在しています。そのため、オールオン4の治療費が極端に安く設定されている場合は、メジャーなインプラントシステムではなく、耐久性などに劣るマイナーなインプラントシステムを採用しされている可能性があります。この点については、事前にきちんと確認しておきましょう。せっかく手間と時間をかけて入れたインプラントがすぐに抜け落ちてしまったら、ショックですよね。

インプラント治療には、保証がついてくることが多いです。メジャーなインプラントシステムであれば、10年保証がついてくることも珍しくありません。治療後、10年間の間に起きたトラブルは、無料で対処してくれることが多くなっています。ただし、保証が適用されるためには、いろいろな条件がありますので、事前に頭にいれておきましょう。格安のオールオン4では、そんなインプラント保証がついていない可能性が高くなっています。治療後、インプラントがすぐに脱落しても保証が受けられず、また同じ費用をかけてインプラントを埋め直さなければならない可能性もあります。

オールオン4の治療では、当然のことながらインプラントの埋入手術が伴います。その際、局所麻酔意外にも静脈内鎮静法も適用されるか確認しておきましょう。インプラントオペというのは、とても強い緊張を強いられる手術ですので、静脈内鎮静法を施した上で行われることが多くなっています。その際、全身管理が必要となるため、歯科麻酔医も立ち会うこととなります。格安のオールオン4では、その費用が含まれていない可能性があります。静脈内鎮静法なしでインプラントオペを受けるのは不安ですし、その料金をあとから請求されるのも困りますので、事前に問い合わせておくことが大切です。

インプラント治療の一種であるオールオン4は、歯科治療の中でもかなり特殊な処置法ですので、使用する器材や薬剤、設備なども特別なものが必要になってきます。まず、歯科用CTによる精密診断は必須ですし、インプラントオペを安全に行うためのスペースも確保されていなければなりません。とくに、感染対策が万全でなければ、術中や術後に感染症を引き起こすリスクも高まります。そうした環境が整っていない歯科は、設備にお金をかけていない分、オールオン4にかかる費用も安く抑えることが可能であるケースも多いのです。

オールオン4は、インプラント治療の中でも特殊な治療ですので、歯医者やスタッフの実績が豊富でなければ、なかなか任せることはできません。格安の値段でオールオン4治療を提供している歯科医院は、もしかしたらまだ実績が乏しい可能性があります。また、インプラントシステム自体も信頼に乏しいものを使用している可能性もあります。こうした点についても事前に確認することが大切です。

このように、格安のオールオン4では、事前に確認しておくべき点が多々あります。費用が安いというだけで飛びつくことはせず、上述したような見分け方を参考にして、慎重に選ぶようにしましょう。最もおすすめなのは、技術も知識もある歯医者がオペを担当し、設備も十分に整った歯科医院でオールオン4治療を受けることです。そうした歯科医院は探せばたくさんありますので、焦らず慎重に選ぶことが大切です。大切なお口の治療、ご自身が納得できる歯科医院を探しましょう。