歯科コラム

インプラントをするのに年齢制限はある?

2018年10月3日 (水)
インプラント治療は、天然の歯のように美しく、機能性も高い補綴治療ですが、誰でも受けられるのか気になりますよね。とくに、年齢に制限があるのかは知りたいところです。ここではそんなインプラント治療における年齢制限について詳しく解説します。

若くても受けられるの?

若くても受けられるの?
まず、若い人にインプラント治療を適用できるかどうかについてですが、基本的に年齢制限というものは存在しません。ですから、20歳前後の若者であっても、歯を失った場合は、ブリッジや入れ歯だけでなく、インプラント治療を第三の選択肢として考えることができます。けれども、若すぎる場合は、少し話が変わってきます。

例えば、まだ乳歯と永久歯が混在しているような年齢や、顎の骨の発育が継続しているような場合は、その時点でインプラント治療を適用することはほとんどありません。なぜなら、そうした時期にインプラントを埋入しても、歯の生え代わりや顎の成長によって、埋入したインプラントが正常に機能しなくなるからです。それならば、顎の発育が完了し、歯並びも整った後にインプラント治療を実施した方が合理的といえますよね。そういう意味では、インプラントに年齢的な制限はあるともいえます。ただ、インプラントを適用するかどうかは、インプラント歯科の歯医者の方針によりますので、一概にはいえません。

高齢者のインプラント治療について

インプラント治療を受ける年齢というと、比較的高齢のイメージが強いです。なぜなら、歯を失うケースが高齢になるほど高まるからです。けれども、インプラント治療には外科処置が伴うため、高齢者は受けられないのでは、という不安を感じている方も珍しくありません。つまり、年齢の下限ではなく、上限があるのではないかと思われているケースです。

確かに、高齢になればなるほど、お口の中だけでなく、全身にもさまざまな不具合が生じてきますので、適用できる治療が限られてきます。それは歯科治療も例外ではありません。ただ、インプラントは高齢というだけで治療が受けられないということはまずありません。重要なのは、顎の骨の状態や全身の健康状態です。これらが安定していれば、例え高齢であってもインプラント治療が制限されることはありません。

インプラント治療が制限される年齢以外の理由

インプラント治療が制限される年齢以外の理由
インプラント治療では、明確な年齢制限は存在しません。けれども、顎の骨の状態が悪ければ、インプラント治療を受けられないことが多々あります。具体的には、顎の骨の厚みや幅、深さなどが足りないと、人工歯根であるインプラント体そのものが収まりません。あるいは、骨粗鬆症などによって骨密度が不足していると、インプラント体を埋めてもすぐに外れてしまうことがあるのです。これはインプラントと骨とが結合するオッセオインテグレーションが正常に行われないためです。

また、重症度の高い高血圧症や糖尿病、心疾患などを持病としてお持ちの方も、インプラント治療が受けられないことがあります。これらはインプラントオペの際に危険な状態へと陥る可能性があるからです。さらに、インプラントを埋入した後も、様々なお口の疾患や全身のトラブルを引き起こすリスクが高まるからです。年齢的な制限ではなく、顎骨の健康状態や全身疾患の有無によって、インプラント治療が選択肢から除外されるケースもあるでしょう。

インプラント治療に適した年齢とは

上述した通り、インプラント治療には年齢制限が設けられていませんので、歯科医院の歯医者が認めれば、誰でもインプラント治療を受けることができます。とはいえ、歯列の状態や顎の骨の発育状況を考えると、やはり成長期以降に受けるのが望ましいといえます。具体的には、20歳前後であれば、大きな問題もなくインプラント治療を受けることができるといえます。

次に、インプラント治療を受ける年齢の上限についてですが、こちらも現実的には制限があると考えられます。例えば70歳くらいまでは、元気に働いている人はたくさんいらっしゃいますし、体や顎の骨に大きな問題を抱えているケースも少ないですので、年齢で制限することはまずないといえます。それが80歳や90歳を超えてくると、やはりインプラントオペに伴う全身への負担が大きくなりますので、すんなりインプラント治療を許可する歯医者も珍しいことでしょう。そういった高齢の方の場合は、精密検査を行うことはもちろんのこと、インプラント治療に伴う全身へのリスクが少ないことを確認した上でなければ、施術するのは難しいといえます。

まとめ

このように、インプラント治療には年齢制限はありません。若くても、年をとっていても、インプラント治療を受けることは可能です。それでもやはり、若すぎる場合や高齢すぎる場合は、現実的にインプラント治療が難しいことがありますので、気になる方はまずインプラント歯科を受診しましょう。最初のカウンセリングの段階で、年齢的に可能かどうかを歯医者が説明してくれることかと思います。