インプラントの寿命が来たら再手術が必要!かかる費用は?
2018年09月23日 (日)
インプラント治療は、入れ歯やブリッジと比較すると、いろいろな点でメリットが大きいといわれる補綴治療です。けれども、あくまで人工物であるため、いつかは寿命を迎えてしまいます。そんなインプラントの寿命がやってきた時には、再手術が必要となりますので、その方法や治療にかかる費用について詳しく解説していきます。
インプラントの寿命とは
インプラントの寿命というのは、具体的にインプラント体が脱落したケースを意味します。インプラント治療では、顎の骨にチタン製のインプラント体を埋め込みますので、これが治療の成功を握るカギといえます。インプラント体がしっかりと顎の骨と結合している限りは、インプラントでものを噛むことができ、インプラントも生きている状態を保っているといえるでしょう。ですから、例え、人工歯の部分である上部構造が欠けたり、脱落したりしたとしても、それは「インプラントが寿命を迎えた」とはいいません。そういったケースでは、上部構造を修理するなり、新しい人工歯を作製するなりして対処することが可能だからです。
インプラントが脱落する原因
インプランが脱落する原因は、いくつか考えられます。まず、インプラントを埋入した部分に細菌感染が起こり、インプラント周囲炎などの病気を発症した場合です。インプラント周囲炎は歯周病の一種ですので、炎症が歯肉や歯槽骨へと及び、やがてはインプラントとの結合も失われてしまうのです。
それから、歯ぎしりや食いしばりなどの口腔習癖がある方も、インプラントが脱落しやすくなるため注意が必要です。歯ぎしりや食いしばりでは、インプラントに対して非常に強い圧力がかかるため、上部構造が欠けるだけでなく、インプラント体そのものが破損することもあり得ます。
また、喫煙習慣がある人も、インプラントの寿命が短くなる傾向にありますので注意しましょう。タバコを吸っていると、歯肉や歯槽骨への血流が悪くなり、酸素や栄養が行き届かなくなるため、インプラント体と歯槽骨との結合も失われることがあるのです。ですから、インプラント治療を受けた方は、禁煙することをおすすめします。
さらに、インプラントのメンテナンスを怠った場合も、インプラントが脱落しやすくなります。インプラントは定期的なプロフェッショナルケアが不可欠な補綴物ですので、歯科医院でのメンテナンスを怠ることは致命的といえます。
インプラントの再手術とは
インプラントの再手術は、はじめに歯科医院で受けたインプラント手術と基本的に同じです。脱落してしまったインプラントをもう一度顎の骨に埋め込むための手術を行います。そういったケースでは、できるだけ同じ歯科医院や歯医者でインプラントの再手術を受けることが望ましいです。なぜなら、同じ歯科医院であれば、もうすでにインプラント手術に必要な情報はそろっていますし、歯医者も患者さんのお口の中を熟知しています。また、歯科医院によっては異なるインプラントシステムを導入していることも多いため、インプラントの再手術を別の歯医者で受けるとなると、いろいろなデメリットが生じることがあるのです。
再手術にかかる費用は?
多くの歯科医院では、インプラント治療に保証を設けています。インプラントの保証期間は、歯科医院によって異なりますが、多くは5年保証や10年保証です。この期間内であれば、基本的に無料で再手術を受けることが可能です。ただし、保証が適用される条件というのは、あらかじめ決められていますので、契約を結ぶ段階できちんと把握しておきましょう。
例えば、定期的にメンテナンスを受けることが決められていたにも関わらず、それを怠った上でインプラントの寿命がやってきたら、当然のことながら保証は適用されません。また、禁止されていた喫煙を継続してしまったなど、患者さん側にインプラント脱落の責任がある場合は、保証が適用されず全額自己負担となることが多いです。
ちなみに、保証が適用されず、全額自己負担となった場合の再手術費用に関しては、お口の中の状態にもよりますが、初めの手術より高い費用がかかることも珍しくありません。なぜなら、もうすでにインプラントが寿命を迎えるほど歯周組織の状態が悪化しているわけですから、その分だけインプラント手術の難易度も上がってしまうのです。
まとめ
このように、インプラントが脱落し、その寿命を終えてしまったら再手術が必要になります。そこで重要となるのが脱落した原因です。定期的なメンテナンスを受けていなかったり、喫煙など禁止されていた行為を継続していたりする場合は、患者さん自身の責任となるため、インプラントの保証が適用されなくなります。その結果、再手術の費用は全額自己負担となることも多いので注意しましょう。また、インプラントの再手術では、一般的に最初の手術より難易度が上がることも知っておきましょう。