インプラントは、歯科治療の中でも特殊な分野に領域分けされるため、歯医者であれば誰でも一定水準以上の治療が行えるというものでもありません。それだけに、知識や実績が豊富な歯医者に治療をお願いしたいところですよね。そこで、目安となるのがインプラントの専門医や認定医といった資格です。そもそも一般歯科とインプラント専門医、認定医や指導医の違いは何でしょうか。ここでは、そんな専門医の制度について、一般歯科との違いを挙げながら詳しく解説します。

インプラントに限らず、歯科の診療科には専門医制度というものが設けられていることが多い傾向です。例えば、口腔外科医や歯科麻酔科医などにも専門医制度があり、実際、認定医や専門医が存在しています。これらの資格は、それぞれの学会が認定するもので、一定水準以上の知識や実績があることを証明しています。そのため、歯科医師の資格しか持たない一案歯科の歯医者よりは、インプラントの専門医や認定医の資格を持っている歯医者のほうが、知識量が多く、技術も高いことが多いといえるでしょう。それを表すわかりやすい指標が専門医という資格なのです。

インプラントには、専門医のほかに、認定医や指導医という資格も存在します。まず、認定医に関しては、ほぼ専門医と同じ意味とお考えください。呼び方が異なるだけで、公的な資格としては同等といえます。けれども、指導医ともなると話は変わります。なぜなら、指導医は、まず専門医の資格を持っていることが最低条件だからです。インプラントの専門医の資格をとってから、さらに実績を積み、論文なども書いて知識を増やすことでようやく指導医の資格を得ることができます。指導医になると、学生のみならず歯科医師に対しても、インプラントの指導を行うことができるようになるのです。

インプラントは、虫歯治療や歯周病治療とは異なり、歯科の中でもかなり専門性の高い治療法といえます。実際、虫歯治療や歯周病治療というのは、大学でもきっちり勉強しますし、研修医の段階でもたくさんの症例を経験します。けれども、インプラントとなると、それなりに特殊な環境でなければ、きちんとした経験を積むことは難しい傾向です。それだけに、専門医の資格を持っているかどうかは非常に重要なポイントとなります。

インプラント治療を一般歯科の歯医者にお願いするのと、専門医や認定医の資格保持者にお願いするのとでは、圧倒的に後者のほうが安全であるといえます。なぜなら、専門医の資格保持者であればインプラント治療の基本を習得しているだけなく、実績も積んでいますので、いろいろな症例に対応可能です。トラブルが起こった際にも、適切な処置を施すことができることでしょう。

インプラントの専門医や認定医は、常にインプラントに関する新しい知識を取り入れていますので、実際に治療を受けることになっても、最新の治療法を施してくれることが多い傾向です。また、そうした歯科であれば最新の利用設備も導入していて、高い治療効果を期待できます。

ここまでインプラントの認定医や専門医といった資格の重要性を説明してきました。しかし、なかには資格を持っていなくても、素晴らしい治療技術を有した歯医者もいらっしゃいます。そういった歯医者は、技術力の高さが口コミでも広がるため、ある意味有名人になっていることでしょう。また、患者さんの治療に対する満足度も非常に高くなっていることでしょう。そのため、認定医や専門医の資格があるかどうかは、絶対的な基準ではないといえます。あくまで、優れたインプラント歯科医を探すための目安として捉えてください。

これからインプラント治療を受けようと考えている方にとって、優れた歯医者を見つけることは何より重要なことといえます。そのうえで、インプラントの指導医や認定医といった資格は大変参考になるでしょう。それに加えて、治療内容の説明が丁寧であったり、料金の内訳などを詳しく説明してくれたりするかどうかも見るべきポイントといえます。もちろん、インプラントオペを成功へと導く高い技術力は不可欠なのですが、そうした治療前後のサポートについても信頼がおけなければ、なかなか治療を任せることはできません。それに加えて、「歯科用CTが完備されているか」などの設備の面にも注目する必要があります。

このように、インプラントは専門性の高い治療だけに、知識や実績が保証された歯医者に施術をお願いしたいものです。そこで、有用な客観的指標となるのが専門医や認定医の資格といえるでしょう。ただし、専門医だからというだけでなく、総合的に判断することも大切といえます。「インプラント治療に必要な設備が整っているか」「インフォームドコンセントを徹底しているか」などに注目しながら、施術をお願いする歯医者を選びたいところです。インプラントを検討しているなら、まずは実績のある専門医から探してみてはいかがでしょうか？